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耳鳴りと難聴

更新日:2023.11.13

生理や気圧の変化でも耳鳴りが起きる?

生理や気圧の変化でも耳鳴りが起きる?

生理中や季節の変わり目による気圧の変化などで耳鳴りを訴える人も少なくありません。
ここでは、生理中や気圧の変化による耳鳴りの症状や原因、対処法についてご紹介します。  

生理と耳鳴りは関係がある?

生理中に耳鳴りを訴える女性は少なくないようですが、そのほとんどのケースでめまいや頭痛を伴うことも分かっています。
実は、この耳鳴りは偏頭痛からくるもので、偏頭痛を抑えることで耳鳴りも改善される場合が殆どです。

偏頭痛の症状

「ガンガン」と拍動性の激しい頭痛に、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
人によって症状は様々ですが、身体の痛みや下痢、耳鳴りや光の点がチカチカと見えることもあります。

偏頭痛の原因

原因ははっきりしていませんが、ストレスやホルモンバランスの変化が関係しているとされています。
光や音の刺激、匂いが偏頭痛のきっかけになる人もいます。
1ヶ月に1回や1週間に1回など、周期的に起こるのが特徴です

月経時偏頭痛とは

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあり、これらのホルモンは脳の「視床下部」から出される指令によって「脳下垂体」へとつながり、卵巣から子宮内膜へと分泌されています。

しかし、ストレスや疲れによって自律神経のバランスが乱れると、その司令塔をも兼ねる視床下部がうまく働かず、女性ホルモンのバランスが崩れてしまうことがあります。
また、生理周期に合わせて女性ホルモンの分泌は増減します。
この周期に合わせて起こる偏頭痛を「月経時偏頭痛」と呼ぶこともあります。

生理中の耳鳴りの対処法は? 

偏頭痛による耳鳴りなら

市販の痛み止めは効かないこともあるため、医師に薬を処方してもらいましょう。
偏頭痛の痛みを抑える薬のほか、「前兆」であるめまいや吐き気を軽減する薬を処方してもらえます。
これにより、耳鳴りの改善も見込めます。

また、発作のきっかけとして、ストレス、ストレスからの解放、偏った食生活、睡眠不足や睡眠のとりすぎ、低気圧といったものが報告されています。
毎日の生活習慣を見直して、適度な睡眠、栄養バランスを考えた食生活、ストレスをためない生活を心がけましょう。

ホルモンバランスの乱れによるものなら

普段の生活では交感神経優位の状態が続きがちですが、なるべく副交感神経が働くよう、リラックスできる時間を大切にしましょう。
温かいお風呂に入ったり、好きな本を読んでリラックスすることで、ゆったりした気持ちでよく眠ることもできます。

また、就寝の二時間前からスマホを見ないようにすることで、睡眠の質をあげることもできると言われています。
適度に力を抜き、頑張らないことを心がけることも必要です。
また、ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動もおすすめです。

低気圧になると耳鳴りがする理由 

季節の変わり目や、台風が近づくと耳鳴りを感じたり、耳閉感やめまいを伴うこともあります。
ここからは、低気圧と耳鳴りの関係をご紹介します。

低気圧とは?

気圧とは、私たちが受ける空気の層(=大気)による圧力のことを指します。
大気では熱や偏西風などによって気圧差が生じ、そのため軽い空気(=低気圧)と重たい空気(=高気圧)が発生する仕組みになっています。
高気圧の時は晴れていますが、低気圧のときは、季節の変わり目、梅雨、雪、台風などで天候が不安定になります。

気圧の変化は私たちの体調に大きく影響を及ぼしており、高気圧では空気が重たくなるため、体にかかる空圧も高くなり、血流が促進されますが、低気圧になると血流はゆるやかになります。
「気圧」は目に見えませんが、私たちの身体に影響を及ぼしているのです。

低気圧でなぜ耳鳴りが起こる?

気圧が変化すると、私たちの身体はストレスを感じ、交感神経が優位の状態が続きます。
自律神経系は交感神経と副交感神経が自然とバランスを取るように働いていますが、ストレスを受けるとこのバランスが崩れてしまいます。
これが内耳にも影響を与えており、結果的に耳鳴りなどを引き起こすことがあります。

私たちの内耳にある「三半規管」は外の気圧の変化を感じ取る機能を備えています。
そのため、「三半規管」が敏感な人や耳に疾患を抱えていると、気圧の差の影響を受けやすくなり、耳鳴りを引き起こしてしまうのです。
また、低気圧のときに起きる耳鳴りは、ほとんどの場合、ズキズキと痛む片頭痛を伴うことがあります。

「気象病」による耳鳴り

気圧の影響で耳鳴りのほかにも様々な体調不良を訴える症状は「気象病」とも呼ばれています。
「気象病」の特徴や予防法を見てみましょう。

気象病とは?

気圧の変化によって体調不良を訴える症状を、「気象病」と呼ぶことがあります。
これは、気圧の変化によって人の体がストレスを感じることで引き起こされます。

ストレスを感じると、交感神経が過剰に働き、血管が収縮して体が興奮状態に陥りますが、この状態が長時間つづくことで副交感神経の働きとのバランスが崩れ、体調不良をきたす方もいます。
最も多い症状は頭痛ですが、首の痛みや耳鳴り、関節痛、不安法なども症状に挙げられています。

「気象病」を感じやすい状況とは

具体的には、1日の中で朝晩の気温差が大きく10度以上の気温変化がある場合や、低気圧が日本列島を通過しやすい春、秋、梅雨時、台風シーズンに症状を感じる方が多いようです。
また、高層タワーのエレベーターに乗ったり、飛行機に乗ったりするだけでも気圧の変化を受けて気象病を訴えるケースもあります。

「気象病」の予防はできる?

気象病は自律神経のバランスの乱れが原因となるため、まずはそれを整えることから心がけましょう。
そのためには、毎日同じ時刻に起床・就寝・食事をこころがけ、1日の生活リズムを整えます。
また、食生活を見直し、適度な運動をし、リラックスした時間を持つようにしましょう。

また、私たちの身体の中で、耳の「内耳」が気圧の変化を感じるセンサーの役割をしているとされています。
耳やその周りをそっとマッサージして刺激することで気象病が緩和すると言われており、耳を上下や横に軽くひっぱるだけでも効果があるようです。

まとめ

生理中の耳鳴りも、気圧の変化による気象病が原因の耳鳴りも、ともに原因が自律神経のバランスが崩れることが原因で起こるとされています。
規則正しい生活やストレスを溜めすぎない生活を心がけ、環境の変化に対応できる身体を整えていくことが最大の予防になるでしょう。
症状が強い場合は我慢しすぎず頭痛外来や耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。

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