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耳鳴りと難聴

更新日:2024.06.28

親の耳が遠くてイライラ…老人性難聴の接し方・話し方を詳しく解説

親の耳が遠くてイライラ…老人性難聴の接し方・話し方を詳しく解説

親との会話が段々と難しくなった、と感じている場合、もしかすると老人性難聴の影響かもしれません。
会話がスムーズにできなくなると、本人だけでなく家族もイライラしてしまう可能性があります。
できるだけ、お互いに気持ちよく会話をするために、老人性難聴についての理解を深め話し方のコツを覚えましょう。

親の耳が遠いのは老人性難聴?

高齢の親との会話で、何度も聞き直されたり返事がなかったりした場合、老人性難聴によって耳が遠くなっている可能性があります。

老人性難聴とは?原因や症状、治療方法を紹介

老人性難聴の仕組み

老人性難聴とは、加齢によって耳の内部にある「蝸牛」という部分の有毛細胞が損傷したり少なくなったりすることで、聞こえにくさが生じるものをいいます。

加齢とともに、私たちの耳は徐々に聞こえにくさを増すことは珍しくありません。
おおよそ30代くらいから進行しはじめますが、聞こえにくさを実感するのは60代くらいからの場合が多いです。

老人性難聴の症状

老人性難聴の場合、主に以下の症状が見られます。

・高音ほど聞こえにくくなる
・特定の発音が聞こえにくくなる
・両方の耳が同じように聞こえにくくなる

老人性難聴の場合、どちらか一方の耳が遠くなるというよりは、両方の耳が同じように聞こえにくくなる傾向にあります。

また、体温計の音や電話の呼び出し音など、高い音から聞こえにくくなるという特徴もあり、「カ行」や「サ行」など、一部の音の聞き分けがしにくくなることもあります。

老人性難聴のセルフチェック

親の聴力に不安があり、「もしかして老人性難聴かもしれない」と思った時は、以下のチェックポイントに当てはまるかどうか確認してみましょう。

・テレビの音量が大きくなった
・後ろから話しかけた時の反応が鈍くなった
・早口で話した時に聞き取りにくい様子がある
・会話をしている間に聞き直されることが増えた
・複数人での会話では発言が少なくなった
・騒がしい場所での会話が難しくなった
・家電製品のアラームに気づかなくなった
・あまり親しくない人との会話を避けるようになった
・これまでよく参加していた集まりに参加しなくなった
・会話中にだんだんとイライラするようになった

こうした様子が見られたら、もしかすると老人性難聴によってコミュニケーションが難しくなってきている可能性があります。

親との会話でイライラしないための接し方のコツ

親の耳が遠くなると、本人だけでなく家族の方もイライラしてしまうことがあるでしょう。
できるだけお互いに気持ちよくお話するために、いくつかの接し方のポイントを意識してみましょう。

ゆっくりはっきりと話す

ボソボソと小さな声で話すと、老人性難聴の方は聞き取りが難しく、何度も聞き直されたり返事がもらえなかったりする可能性があります。
話しかける時は、ゆっくりと、そしてはっきりとした発音で話しましょう。

正面から話しかける

老人性難聴の方は、目に見えない位置にいる人から話しかけられるのが苦手です。後ろや横から話しかけられた時に気づかないことも少なくありません。

正面からきちんと顔を見て話してあげると、会話に集中することもでき、言葉が聞き取りやすくなります。

身振り手振りで注意を引く

まず、話しかける時は手振りで注意をひくと、「自分に話しかけられている」と注意をひき、会話に集中しやすくなります。
会話の間にも、身振り手振りを使うことで、少しだけ聞き取りにくい部分があっても何を話しているのか理解しやすくなることもあるでしょう。

特定の言葉が聞き取れず何度も聞き直される場合は、文字で示してあげると良い場合もあります。

必要以上に大きな声を出さない

老人性難聴の方との会話は、どうしてもこちら側の声が大きくなりがちですが、声が大きければ大きいほど良いわけではありません。
必要以上に大きな声になると、かえって音が聞こえにくくなることがあります。
また、大きな声で強い口調で話すと、相手によっては責められているような気分になってしまうこともあります。

間違いを細かく指摘しない

聞き間違いや勘違いが生じてしまっても、多少のことはそのままスルーしてあげた方が良い場合もあります。
大きな問題につながるような勘違いは訂正してあげる必要がありますが、あまりにも細かい部分まで指摘してしまうと自信をなくし他者との会話が億劫になってしまう可能性があります。

イライラしたまま会話を続けない

伝えたいことがうまく伝わらず、こちらがイライラしてしまった場合は、少しだけ会話を中断して気持ちを切り替えてから会話を再開しましょう。
もし、イライラしたまま話しかけてしまったら、次第に親にもそのイライラが伝わり、険悪な雰囲気になってしまう可能性があります。
「トイレに行く」などと言って少しだけその場を離れたり、水分をひとくち飲んで深呼吸をしたりして、イライラがヒートアップしないように切り替えましょう。

老人性難聴の対策方法

老人性難聴は加齢に伴って起こるもののため、根本的に治療することはできません。
今のところ、聞こえにくさをカバーするには、補聴器に頼らざるを得ないのが現状です。

老人性難聴が早いうちから発症しないように対策することは可能です。
日頃の生活で意識し、お金をかけずに試せることですので、ぜひ試してみてください。

・イヤホンのつけっぱなしを避ける
イヤホンそのものに問題があるわけではありませんが、イヤホンでの視聴はついつい音量を大きくしてしまいがち、という問題があります。
大きな音を長時間聞き続けると、有毛細胞のダメージにつながる可能性があるため注意しましょう。

・大きな音がする環境に長時間居続けないようにする
カラオケ店やパチンコ店など、大きな音がする場所に長時間滞在していると、有毛細胞が損傷してしまう可能性があります。
耳に優しい生活を送る上では、このような場所には長時間滞在しないようにした方が良いでしょう。

・酸化ストレスを軽減させる
体内で活性酸素が多く発生しすぎると、酸化ストレスによって生活習慣病などの要因になったり、老化を早めてしまったりすることがあります。
これが老人性難聴にもつながることがあるため、若々しい体を保つためにも日頃からストレスの解消や健康的な生活を意識しましょう。

補聴器の利用もおすすめ

加齢性難聴には、補聴器の利用もおすすめです。補聴器で聞こえがカバーできると、人との会話がスムーズになり、聞き直しなどによってお互いにストレスを感じることも回避しやすくなります。

補聴器と聞くと、「ご高齢の人が使うもの」というイメージがあるかもしれませんが、最近はおしゃれなものや目立ちにくいものも多くなっています。

「オリーブの集音器」で叶う会話コミュニケーション

オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。

聞こえのトラブルは自分よりも周囲の人が先に気づくケースが多く、発見や対策が遅れがちです。
オリーブの集音器は「会話モード」や「声をはっきりと」といった設定が搭載されているため、会話でのコミュニケーションを活発に、いきいきと活躍できる毎日をサポートします。

まとめ

親の耳が遠くなると、何度も同じことを聞かれ、ストレスになることもあるでしょう。
しかし、会話する度にイライラしてしまうと、お互いにとってよくありません。
老人性難聴そのものを治すことは難しいため、会話のポイントを理解してできるだけストレスなく話しが通じるようにしていく必要があります。
補聴器や集音器の使用も視野にいれながら、できるだけ無理なくコミュニケーションをとっていきましょう。

ミミマガジン編集長

大竹 舞

Mai Otake

新潟県出身。保険診療・自由診療の医療機関で接遇・販売を経験したのち、マーケティング部門でオウンドメディアの運用を担当。その際に突発性難聴を発症(現在は完治)。オリーブユニオンに入社後はマーケティング部に所属。自身の難聴経験を活かし、幅広い世代が抱える耳鳴りや難聴の悩みに対して、“わかりやすく、かつ身近な問題として感じてもらえる”をテーマに、ミミマガジンの運用・コラムの執筆にあたる。

大竹 舞

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