耳鳴りと難聴
更新日:2024.06.28
難聴への理解とすぐ実践できるコミュニケーションのポイントを解説
耳の聞こえない人とコミュニケーションをとりたくても、どのようにすれば良いのか分からない、と困ったことはありませんか?
難聴のことを知り、すぐに実践できるコミュニケーションのコツを理解して、積極的に会話できる方法をご紹介します。
目次
難聴とは?
難聴とは、「聞こえにくい状態」を指す広い意味をもつ言葉ですが、主に以下の3つに大きく分類されます。
伝音難聴
外耳や内耳に何らかの障害が生じ、聞こえにくさが起こる難聴のことを、伝音難聴といいます。
急性中耳炎や外耳道炎などの病気による場合は、治療によって病気そのものが改善すると聞こえにくさも改善することも多いです。
滲出性中耳炎や慢性中耳炎などは、薬物投与だけでなく手術が必要な場合もあります。
もし、これらの治療で病気そのものの改善が難しかった場合でも、補聴器をつけることで聞こえが改善することも多い点が特徴です。
感音難聴
感音難聴の場合は、耳の内部にある内耳や神経、脳に障害があって起こり、生まれつきの難聴や急に起こる突発性難聴、加齢にともなって起こる加齢性難聴などがあります。
急性の難聴は薬物投与で改善することもありますが、中には治療が難しい場合もあります。
難聴の原因や程度によって、適切な対処法は異なり、できるだけ生活の質を向上させるためにどんな方法で対処できるのか医師と相談することが大切です。
混合性難聴
伝音難聴と感音難聴の両方を伴う難聴を、混合性難聴と呼びます。どちらの症状がより強いのかは個人差があり、状態に応じた対処が必要です。
参照:難聴について | 日本耳鼻咽頭科学会
https://www.jibika.or.jp/owned/hwel/hearingloss/
難聴の種類|それぞれの原因と対処法とは?
先天性難聴について
生まれつき難聴がある状態の方は、「先天性難聴」とも言い表されます。遺伝によるものや胎児期の発達異常などが原因であり、その60%~70%は遺伝性によるものと言われています。
その他には、染色体異常、ウイルス性のものなどがあり、「先天性サイトメガロウイルス」による難聴は乳幼児健診の時に判明することもあります。
後天性難聴について
生まれた後に起こる難聴のことを、「後天性難聴」と言い表します。
その原因は何らかの病気に伴い起こるものから、薬剤の影響、寝不足や疲労によるストレスによるものなどさまざまで、症状の特徴も原因によって異なります。
原因となる代表的な病気は、次の項でご紹介します。
後天性難聴と呼ばれる病気とそれぞれの特徴とは
後天性難聴の原因となる代表的な病気やその特徴を簡単にご紹介します。
・突発性難聴…急に前触れなく片方の耳が聞こえなくなる病気です。人によっては、耳が詰まった感じや耳鳴り、めまいなどを伴うこともあります。
・メニエール病…内耳にリンパ液が溜まりすぎて、体の平衡感覚が乱れめまいや難聴、耳鳴りが生じる病気です。
・聴神経腫瘍…ほとんどが良性の脳腫瘍です。バランス感覚に関与する前庭神経から発症します。
・加齢や騒音…加齢や騒音そのものは病気ではありませんが、これらが原因で難聴を起こすこともあります。
参照:
伝音難聴・感音難聴・耳の疾患|武蔵境耳鼻咽喉科|武蔵野市境 三鷹市
https://musashisakai-jibika.jp/hearingloss.html#:~:text=%E5%85%88%E5%A4%A9%E7%9A%84%E3%81%AA%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B,%E3%81%8C%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
さっぽろ子どもの聞こえ相談ネットワークを作る会 | 聞こえについてもっと知りたい
http://kodomonokikoe.net/guide
聞こえにくさは感音性難聴の可能性あり!聞こえ方や原因、補聴器による治療について詳しく解説 | よし耳鼻咽喉科【公式】
https://www.yoshijibika.com/archives/30472
難聴者とのコミュニケーション方法とは?
難聴の人とのコミュニケーションは、色々な方法を用いて行うことが可能です。
どのような方法があるのか、ご紹介します。
読唇
簡単な会話なら、ゆっくりと口を大きく開けて話すと理解しやすくなります。
「雨」と「飴」など、同じ言葉で違う意味をもつ言葉の判別は難しく、伝わりにくい可能性もあります。
筆談
紙やボードに伝えたい言葉を書いてコミュニケーションをとる方法です。多くの場合、読唇と併用し、必要に応じて用いられます。
特に専門的な用語を用いた会話や、業務上必要なことを確実に伝えたい場合などでは、勘違いを避けるためにも便利です。
手話・ジェスチャー
難聴の方の中には、日常的に手話を用いて会話をしている方もいます。しかし、難聴のない人の多くは手話を知らないため、ジェスチャーを交えながら会話をすることとなるでしょう。
例えば、数字を指で表す、行動を身振りで表すなど、体を使って口の動きを補えば、より伝わりやすくなります。
補聴器
補聴器の効果は人それぞれですが、人によっては補聴器の使用で日常会話の多くは問題なく行える場合もあります。
ただ、会話の相手との距離や環境によっては聞こえにくくなることもあるため注意が必要です。
音声認識
音声認識機器や音声認識ができるアプリを活用して難聴者と話すことも可能です。
複数人が同時に話してしまうと、処理が難しい場合もあるため、一人ずつ順番に話すようにしましょう。
ヒヤリングループ
専用のマイクを通して、補聴器へ直接音を届けることができる機器です。
マイクで拾った音声を、電気信号としてループアンテナに送り、補聴器へ音を届ける仕組みとなっています。
参照:聴覚障がい者とのコミュニケーションのヒント|コミュニケーションバリアフリープロジェクト|社会貢献活動|塩野義製薬
https://www.shionogi.com/jp/ja/sustainability/society/social-contribution-activities/cbf/hints.html
難聴者とのコミュニケーションを行う際のポイントとは?
耳が聞こえない・聞こえにくい人とのコミュニケーションでは、どのようなところに配慮すれば良いのか、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
お互いの顔を見てゆっくり・はっきりと話す
難聴の方がコミュニケーションをとる際は、相手の口もとをよく見て理解していることも多いです。
お互いの顔を真正面から見える位置で、ゆっくりと口をはっきり開けて話すようにすると、伝わりやすくなります。
ゆっくり過ぎるとかえって伝わりにくくなる可能性もあるため、相手の反応を見ながらスピードを調整すると良いでしょう。
なるべく近づいて、普段より大きめの声で話す
相手の口もとが見やすく、声を聞き取りやすい状態でコミュニケーションをとると、理解しやすくなります。
遠くから話しかけるのではなく、なるべく近づいて声と口の動きの両方が感じやすい環境で会話をするように心がけましょう。
声が聞こえやすい環境を整える
雑音の多い混雑した場所よりも、静かな部屋の方が、声が聞こえやすくなります。
交通量の多い場所では無理に会話しようとせずに相手の視界に入る位置で移動する、あちこちで異なる会話が繰り広げられている室内なら廊下などに移動して話すなど、聞こえやすい場所を見つけて会話を楽しむとより理解しやすくなるでしょう。
ジェスチャーを使う
たとえ手話ができなくても、身振りや手振りで何を言いたいのかある程度伝えることは可能です。
ジェスチャーや表情を使って、相手が簡単に理解しやすいように工夫してみましょう。
文字を使って伝える
誤解なく確実に伝えたい内容は、文字を使うのがおすすめです。
紙とペンがなくても、空書きしたり、パソコンに打ったりして積極的に活用しましょう。
特に、普段あまり使わないような言葉や専門用語、外国語などは口の動きやジェスチャーでは伝わりにくい可能性があります。
一言一句文字にしなくても、必要に応じて単語だけ文字で伝えたり、略語を使ったり記号を用いても良いでしょう。
聞こえづらさにピンときたら「オリーブの集音器」
オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。
聞こえづらさを放っておくと、将来的な難聴や認知症のリスクを高めます。
会話が聞き取りづらいことや、テレビやラジオの声が聞き取りづらいと感じることがあれば、音楽用イヤホンとしても使える、機能が充実したオリーブの集音器がおすすめです。
まとめ
難聴の人との会話は、少しの配慮でよりスムーズに行える可能性があります。
どんな場所でどんな風に話しかけると伝わりやすいのか理解し、できるだけお互いにストレスなく会話が弾む環境でコミュニケーションを楽しみましょう。
会話をしているうちに、相手とのコミュニケーションのコツも見えてきます。
人それぞれ違う難聴の状態に合わせていこうとすることが大切です。