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耳鳴りと難聴

更新日:2023.11.13

高血圧でも耳鳴りが起こる?食事は「DASH法」を参考に

高血圧でも耳鳴りが起こる?食事は「DASH法」を参考に

耳鳴りの原因にはいろいろなものがありますが、そのひとつに高血圧が原因となっている場合もあります。
今回は、高血圧になると何故耳鳴りがするのか、またその対処法や予防策について見てみましょう。  

高血圧になると、どんな症状がある?

体を流れる血液は、酸素や栄養を全身に届けており、その血液は心臓が収縮と弛緩を繰り返しながら血管に圧力をかけて送り出しています。
心臓から送りだされた血液が血管の内側を押す力を「血圧」といい、心臓が収縮して血圧を送り出す時に強い力がかかった時の状態をはかるのが「最高血圧」といい、心臓が弛緩して次に送り出す血液がたまった時の状態をはかるのを「最低血圧」といいます。

私たちが一般的に目にする、血圧の上と下は、それぞれこの最高血圧と最低血圧に当てはまります。
血圧は測定する時間帯、季節、温度、ストレスなどによって左右され、常に変化を伴うものです。

例えば、スポーツの後は一時的に血圧が上昇する傾向にあるものの、静かにしていると血圧が元に戻ってきます。
このような一時的な血圧の上下は高血圧や低血圧には当たりません。

「高血圧」とは、安静にしていても血圧が正常値よりも高くなっている状態のことです。
高血圧状態が続くと、動脈に圧力が加わり続けるため、血管に負担が大きく、動脈硬化が進みやすくなります。

血圧の正常値は?

家庭で自分自身で測定する場合と、医師などが診察室で測定する場合(診察室血圧)の正常値の規定が異なりますが、診察室血圧の診断基準は、家庭で見る場合よりそれぞれ5mmHg高くなります。

以下は若者や75歳くらいまでの人の場合です。

・家庭内血圧:最高血圧135mmHg未満/最低血圧85mmHg未満
・診察室血圧最高血圧140mmHg未満/最低血圧90mmHg未満

これ以上は高血圧と見なされ、軽度の場合は食事療法、重度の場合は投薬治療が必要になります。  

高血圧の分類

高血圧の領域の中でも、軽度から重度なものまで3つに分類されています。

<I度高血圧>最高血圧140-160mmHg/最低血圧90-99mmHg
<Ⅱ度高血圧>最高血圧160-179mmHg/最低血圧100-109mmHg
<Ⅲ度高血圧>最高血圧180mmHg以上/最低血圧110mmHg以上


高血圧になっても最初は自覚症状がほとんどありませんが、頭痛やめまい、肩こりを感じる方もいます。
疲れた時などによく見られる症状ですが、高血圧の怖いところは「サイレントキラー」と言われ、命に危険を及ぼす合併症を引き起こす点です。

高血圧が続くと、血管の壁が厚く固くなり、脳卒中や心筋梗塞などにつながる「動脈硬化」が起こります。
高血圧は、放置せず、医師の診断に従って対処することが肝心です。  

高血圧が原因で起こる耳鳴りの特徴

高血圧になると、頭痛、めまい、動悸、肩こり、腰痛、だるさなどの様々な症状がみられますが、耳鳴りもその症状のひとつといわれています。

高血圧によって起きる耳鳴りとは?

高血圧になると、血管の内側が傷つき、詰まりやすくなって血流が悪くなります。
当然、耳の近くでも血流障害が起きるため、血の流れる音が耳鳴りとなって聞こえるのです。
耳鳴りの特徴としては、「ドクンドクン」「ザーザー」といった血流の音や鼓動音の「拍動性耳鳴り」が聞こえます。

高血圧で引き起こされる疾患

高血圧による耳鳴りは、動脈硬化や脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症などといった重大な疾患の兆候にもなり得るため、高血圧と診断されていて耳鳴りを自覚したら、速やかに病院を受診することが大事です。
普段から血圧が高めな人は、朝と昼に定期的に血圧をはかる習慣を身につけましょう。

高血圧による耳鳴りを予防するには?

2010年度調査では、日本人の30歳以上の半分以上が高血圧と診断され、男性は女性に比べて15%多い傾向が報告されています。
高齢になるほど高血圧の方は増えますが、30代・40代でも高血圧の方が存在するほど、身近な症状です。

高血圧は放置すると動脈硬化を促進するため、年齢にかかわらず早期受診が大切です。
高血圧が原因の耳鳴りを回避するには、まず高血圧の原因を知り、生活習慣に気をつけることが大切です。

塩分控えめの「DASH食」を定番に

日本人はしょう油や味噌などをよく使うため、食事の塩分が特に高めになります。
日本人の20歳以上の塩分摂取量は20歳以上で1日10.0gが平均と言われていますが、WHO(世界保健機構)は塩分摂取を1日に5g以下に抑えることを推奨しています。

薄い味付けが苦手ならば、たとえばしょうがやにんにくなど、風味を生かした料理を心がけましょう。
加工食品や外食、麺類のスープを控える努力も必要です。

高血圧を防ぐ「DASH食」という考え方があります。
これは、カルシウム、カリウム、マグネシウムと食物繊維を積極的に摂取し、塩分を炭水化物を控えるという考えで、塩分を体外に排出しやすくし、血圧を整える効果が期待できます。

野菜では特に、ホウレンソウ、小松菜、ブロッコリーが、果物ではりんご、なし、キウイなどがおすすめです。
これだけを食べればいいというものではなく、カロリー過多にならないようにバランスよく食べることを心がけましょう。

お酒とタバコとの付き合い方

アルコールは一時的に血圧を下げますが、飲みすぎると血管が収縮し血圧が上昇しやすくなってしまいます。
お酒は飲みすぎず、適量を心がけることが大切です。
また、タバコも血圧を上昇させる働きがあります。
なるべく本数を少なくするように心がけましょう。

ストレスは血圧を上昇させる

ストレスを感じると、交感神経の働きが活発になるため、血管が収縮して血圧が上がってしまいます。
ストレスを感じやすい方は、気晴らしの趣味の時間を持ったり、軽い有酸素運動の習慣を設けましょう。
高血圧と診断されている方は運動が逆効果になる可能性もありますので、必ず医師に相談しましょう。

高血圧による耳鳴りの治療法は?

耳鼻咽喉科を受診し、耳に関する異常がなければ、高血圧による耳鳴りの可能性があります。
その際は、内科、なかでも循環器内科などの受診が望ましいです。
その際は耳鳴りの症状についても忘れずに医師に伝えるようにしましょう。
高血圧の治療法は大きく分けて二つで、生活習慣を整える基本的な「非薬物療法」と、血圧を下げる降圧薬を使う「薬物療法」があります。

非薬物療法

塩分を控え、野菜や果物を積極的に摂取し、適度な運動が勧められます。
こちらは血圧を下げる効果が薬物療法に比べると小さく、日々の生活習慣を修正するには強い意志が必要になるため、薬物療法を併用する場合があります。

薬物療法

血圧を下げる降圧薬を飲み続ける方法です。
血圧の値によって複数の降圧薬を使うこともあります。
医師の指示に従って飲み続けることが大切です。

まとめ

高血圧の症状の一つとして、耳鳴りが起こることがあります。
高血圧は自覚症状がないケースもありますが、血管に大きな負担を与え脳卒中や心疾患など、大きな病気の原因ともなり得ます。
原因が分からない耳鳴りがある場合は、血圧を測定し、基準値内でない場合は循環器内科を受診するとよいでしょう。

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