耳鳴りと難聴
更新日:2024.03.12
耳鳴りや突発性難聴に漢方薬は効くのか?
漢方薬って耳鳴りに使える?突発性難聴の治療に漢方薬は効く?めまいや頭鳴りが伴う耳鳴りにも効く?…このような疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
今回はそのような読者に向けて、耳鳴りの症状や原因、代表的な治療法、漢方薬による治療法、突発性難聴にも効くのかについて詳しく解説していきます。
耳鳴りとは?
以下のコラムで詳しく解説しています。耳鳴りの原因や特徴を詳しく知りたい方は以下よりご確認ください。
参考コラム:耳鳴りはストレスのサイン?受診の目安と予防法
耳鳴りの症状
耳鳴りは大きく2つに分けることができます。1つ目が自覚性耳鳴、2つ目が他覚的耳鳴です。自覚性耳鳴は自分だけに聞こえる耳鳴りであり、他覚的耳鳴りは医者が聴診器を当てて診断するものです。
聞こえる代表的な音としては、ジー、ゴーなどの低音、キーン、ピーなどの高音です。ドクドクといった音が聞こえることもあります。症状の重さには個人差があり、1日中不快な音に悩まされる人もいます。
また、耳鳴りに伴い、めまいや肩こり、頭鳴りが起こることもあります。決して侮ることはできないやっかいな症状です。
耳鳴りの原因
どうして耳鳴りが起きるのかは、はっきりとは解明されていません。音の伝わるルート(主に内耳のどこか)で何らかの障害が起きていることが原因だと考えられています。
(耳周りの病気・症状と関係があることが多いものの、大きな音の聞きすぎ、精神的ストレス、加齢なども関係していることがあると言われています。)
こういった音の伝わるルートで問題が起き、耳から音が聞こえなくなることで脳が感度をあげようとします。脳の感度が上がると、何も鳴っていなくても「音が鳴っている」と勘違いしてしまい、耳鳴りが起きてしまうのです。
耳鳴りの治療法
耳鳴りの代表的な治療法は、TRT療法、心理療法、薬物療法、補聴器療法の4つです。それぞれについて簡単に説明します。
TRT療法とは、音響療法とカウンセリングを組み合わせた治療法です。脳を耳鳴りの音に順応させるように訓練する手法であり、耳にやさしい雑音を継続的に聞き、同時に医師から説明を受けることで、「不快な音」を「快適な音」へと変えていきます。
心理療法とは、カウンセリングによる治療法です。耳鳴りに関する正しい理解を促すことで、ネガティブな考え方を取り払い、問題を解決するための方法を見つけていくことを目的としています。
薬物療法とは、投薬による治療法です。内耳の問題に対して使われるビタミンB12や脳循環改善剤が処方されることが多いです。漢方が処方されることもあります。
補聴器療法とは、補聴器を使用する治療法です。耳鳴りに効く補聴器を使用することで、症状が改善することもあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
漢方薬による治療
耳鳴りは耳だけの問題ではなく、他の部位の不調も関係していることがあります。漢方では、耳鳴りは体全体の不調から起きるものであると捉えられています。
漢方では主に、腎、肝、脾胃のいずれかで不調が起きていると考えます。どの部位で不調が起きているかによって使用する漢方が異なってきます。以下で詳しく見ていきましょう。
腎の不調
腎と耳には密接な関係があり、腎の不調が耳鳴りの原因であることが多くあります。腎が弱まり、生命の原動力である腎精が不足することで、耳鳴りをふくむ様々な体の不調が起きてしまいます。
腎の不調の原因は、ストレスや過労、生活習慣の乱れ、病気の後遺症などです。ただし、もっとも代表的な原因は加齢であり、歳をとったことによって耳鳴りが発症するケースが多いです。
対処法としては腎精を補うことが基本となり、地黄や山薬がふくまれた漢方薬がよく効きます。具体的な種類としては、耳鳴丸や六味地黄丸などがあります。
肝の不調
肝は自律神経との関係が深い臓であり、自律神経の乱れが肝の乱れにつながることがあります。耳の周りには肝の経路が集まっているため、耳鳴りを防ぐために肝のケアをすることが大切です。
肝の不調の主な原因はストレスです。仕事や日常生活において、精神的・肉体的ストレスが溜まることによって起きます。いらいらや頭痛を伴う耳鳴りが発症することもあるため、注意が必要です。
対処法としては気の乱れや血の流れを良くすることが基本となり、柴胡や当帰がふくまれた漢方薬がよく効きます。具体的な種類としては、竜胆潟肝湯や加味逍遥散などがあります。
脾胃の不調
脾胃とは脾臓と胃腸のことであり、栄養の消化吸収の役割を担っています。これが不調を起こすことで体の中に余分な熱が生まれ、血の流れが悪くなり、耳鳴りが発症しやすくなります。
脾胃の不調の代表的な原因の1つは食生活の乱れです。油っこい食べ物をとりすぎることで脾胃の機能が低下してしまいます。もう1つの代表的な原因はストレスです。
対処法としては胃の働きを助けることが基本となり、陳皮や生姜がふくまれた漢方薬がよく効きます。具体的な種類としては、健胃顆粒や冠元顆粒などがあります。
突発性難聴と漢方薬
突発性難聴とは、ある日突然音が聞こえなくなる症状です。「朝起きたら音が聞こえなくなっていた」といったような事例が多くあり、その原因やメカニズムははっきりとはわかっていません。
治療方法としては、点滴などによる薬物療法が中心となります。このときに漢方薬を使用するのもひとつの手です。突発性難聴は耳鳴りと同じく、体全体の不調で起きることもあるため、漢方薬が有効なこともあります。
また、治療後も難聴が残ってしまった場合、補聴器を使用して聞こえの改善を図ることもあります。突発性難聴について詳しくは以下の記事をご覧ください。
聞こえづらさの進行を感じたら「オリーブの集音器」
オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。
放っておくと進行しやすい聞こえのトラブルにこそ、聞こえの状態に合わせて最適な調整ができるオリーブの集音器がおすすめです。
シリーズ最大の最大音響利得62dBとパワー面でも聞こえをサポートします。
まとめ
耳鳴りや突発性難聴はなかなか治らないことも多く、とてもやっかいな症状です。ちょっとでも耳に違和感を感じたらすぐに耳鼻科を受診するようにしましょう。その際、漢方薬を使用した治療もあることを頭に入れておきましょう。