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更新日:2023.07.06

【聞こえ総研 Vol.2】耳鳴りにはどう向き合うべき?

【聞こえ総研 Vol.2】耳鳴りにはどう向き合うべき?

【聞こえ総研】ではミミマガジンに寄せられる様々な”聞こえ”に対する疑問や質問を紹介しています。
今回のテーマは前回のvol.1に続き耳鳴りについて。
vol.2では、その中でも耳鳴りに悩んでいる方がどのような対策を取り、耳鳴りと向き合っているのかについてまとめています。
ぜひ最後までご覧下さい。

耳鳴りに悩む人はどのくらいいる?

本題に入る前に、前回の記事をおさらいしていきましょう。
男女300人に聞いたアンケートでは、3人に1人は定期的に耳鳴りを発症してることがわかりました。

耳鳴りが原因でストレスを抱えている場合も多く、そのストレスが耳鳴りの原因になっている負のループに陥ってしまうこともあるようです。

【聞こえ総研Vol.1】は以下よりご覧いただけます。
まだお読みでない方はぜひこちらも併せてご確認ください。

関連記事:【聞こえ総研 Vol.1】耳鳴りに悩む人はどれくらいいる?

耳鳴りの原因と耳鳴りが示すサイン

多くの方が経験する耳鳴りですが、前回の調査で耳鳴りが発生するのは、大きく分けると、気圧の変化や大きな音を聞いた時などの「外部環境の変化」と体調や心の不調を感じている時などの「心身の疲労」が原因となっているようです。

また、同時に、耳鳴りは心や体の病気のサインであることも多いことがわかっています。このようなサインにしっかりと耳を傾け、必要に応じて専門医への相談を心がけるようにしてください。
耳鳴りに隠れている代表的な病気は以下の3つになります。

突発性難聴

突然左右のどちらかの耳(ごく稀に両耳)の聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいを伴う病気です。
難聴の症状は人によってさまざまで、高音や低音など決まった音だけが聞こえづらくなる人もいれば、全く聞こえなくなる人もいます。
発症の前後、または症状のひとつとして起こることがあります。

関連記事:突発性難聴の耳鳴りの特徴、治療方法とは?
関連記事:ストレスと突発性難聴は関係ある?仕事への影響についても解説

メニエール病

突然めまいが起こり、同時に耳鳴りや吐き気、耳が詰まったような違和感を伴う病気です。
突発性難聴と症状が似た病気ですが、回転性のめまいを繰り返す点に違いがあり、メニエール病によって起こるめまいは10分〜数時間と比較的長い傾向があります。
こちらも発症の前後、または症状のひとつとして起こることがあります。

関連記事:メニエール病の症状や治療、予防方法とは?

うつ病(過度なストレス)

大きなストレスが加わりうつ状態になると、自律神経の乱れによって聴覚の感度が高まることがあります。すると、今まで気にならなかった音に対しても耳が反応するようになり、耳鳴りを感じることがあります。
また、反重い耳鳴りを持っている方がうつ病を発症するケースも多いようです。

関連記事:もしかして聴覚過敏かも?原因や治療法・対策をまるっと解説!

また、この3つの他にも耳鳴りを初期症状や症状の一つとして伴う病気はたくさんあります。
耳鳴り以外の症状で気になる点がある方は早めに医療機関を受診してみましょう。

耳鳴りに悩む人は耳鳴りとどう向き合っている?

さて、ここからは聞こえ総研で調査したみんなの耳鳴り対策を紹介していきます。
まず前提ですが、耳鳴りは根本的な治療がまだ確立されていないため、今の段階では「対策」という形で向き合う必要があります。
もちろん病気が要因となっているケースでは根本的な病気の治療をすることが最優先ですが、耳鳴りの原因が病気でない場合、耳鳴りに悩んでいる人はどのように耳鳴りと向き合っているのでしょうか?

耳鳴り対策は約8割が「何もしていない」

■耳鳴りに対して、何が対策していることはありますか?

今回ミミマガジン編集部が男女300名を対象に調べた結果では、耳鳴りに日常的に悩んでいる人でも対策をしているひとはわずか2割ほどで、8割の人が特に耳鳴りに対して「何も対策していない」ということがわかりました。
耳鳴りに対してストレスを感じているとの声も多かったのですが、具体的な対策はとっていない人が大多数との結果になりました。
対策をとらない理由としては「どのような対策があるかわからない」「耳鳴りに対策があることを知らない」などが多く、まだまだ耳鳴りに対する向き合い方などがわからないという声が多かったです。

注目されつつある治療「認知行動療法」

さて、8割近くが「何もしていない」と答えた耳鳴り対策ですが、実は耳鳴りに対しての効果的な向き合い方として注目を集めている対策方法があります。
それが「認知行動療法」というものです。

今回の調査結果で8%の人が回答した「瞑想や日記をつける」が認知行動療法に近い対策方法です。
耳鳴りおける認知行動療法とは、耳鳴りに対する不安や恐怖を緩和し、耳鳴りに注意を集中してしまう心理を改善する目的で行われるものです。

もう少し具体的に言うと、瞑想や日記をつけることで自分自身が耳鳴りの悩みと客観的に向き合うことができるようになります。
すると、耳鳴りを漠然とつらいことだと捉えるのではなく、「耳鳴りによってもたらされる睡眠障害や強いストレス、いつ発生するのかわからない不安感がつらい」というように考えられるようになり、感情の整理ができることで耳鳴りに対するネガティブな印象を取り除いていくことができます。
また、同時にどういった心境の時に耳鳴りが起こりやすいのかを理解することができるようになるため、耳鳴りの根本的な対策になると推奨されています。

このような認知行動療法は、耳鳴り以外にも様々な分野で取り入れられている治療法で、自分自身悩みと向き合う心理療法です。

最近耳にすることが増えた「マインドフルネス」も認知行動療法の一つで、マインドフルネスは、ネガティブな感情を改善しようとするのではなく、適度な距離を保ちながら客観視していくことで状況の改善を図るものです。
またマインドフルネスとヨガを組み合わせた「マインドフルネスヨガ」というものも注目され始めています。

このように、認知行動療法は自分の心身を観察して意識的に向き合うことで、精神の安定を図り、精神状態の悪化が原因となる症状への緩和が期待できるとされています。

聞こえ総研のオススメ対策

ここまで紹介したように、耳鳴りは多くの人が悩むトラブルですが、まだまだあまり多くの情報や解決策が見つかっていないトラブルのひとつです。
認知行動療法やサウンドセラピーなど少しずつ対策も確立され始めていますが、「結局のところまず何をしたらいいのか?」とお悩みの方も多いのかもしれません。
そこで、最後にすぐに始められる耳鳴り対策について具体的に紹介していきます。

耳鳴りの記録を残す

まずは耳鳴りの記録を残すというものです。
非常にシンプルなものですが、耳鳴りが一日に何回起きているのか、どの時間帯に起こりやすいのか、またどのような音がするのか、などの記録を残すことで耳鳴りが起こる頻度や症状の変化に気づきやすくなります。
また、耳鳴りが起こったときの心理状態や外部環境、気候なども合わせて記録することで、耳鳴りが起きやすい状況が次第に予測しやすくなり、予防に繋がるほか、医療機関へ相談する際の目安や参考資料にもなります。

サウンドセラピー

次にご紹介するのがサウンドセラピーです。
音響療法とも割れている治療の一つで、かすかなノイズや川のせせらぎなど、心地よい音を耳鳴りに被せて流すことで耳鳴りの音を気にならなくするものです。
サウンドセラピーには自立神経を整える作用があり、心を落ち着かせたり、メンタルを回復させる、不眠の改善などにも期待ができます。
CDや動画サイト、スマートフォンのアプリなどで聞くことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はvol.1に続き耳鳴りについての話題をピックアップしました。
本文中にも触れた通り、耳鳴りは多くの方が悩んでいる一方、解決方法や対策方法があまり知られておらず、また周りの人に伝わらないという性質上、ストレスを抱えることも少なくありません。
聞こえ総研編集部では少しでも耳鳴りをはじめとした聞こえのトラブルを抱える人たちの力になれるよう、これからも情報を発信していきたいと思います。

ミミマガジン編集長

大竹 舞

Mai Otake

新潟県出身。保険診療・自由診療の医療機関で接遇・販売を経験したのち、マーケティング部門でオウンドメディアの運用を担当。その際に突発性難聴を発症(現在は完治)。オリーブユニオンに入社後はマーケティング部に所属。自身の難聴経験を活かし、幅広い世代が抱える耳鳴りや難聴の悩みに対して、“わかりやすく、かつ身近な問題として感じてもらえる”をテーマに、ミミマガジンの運用・コラムの執筆にあたる。

大竹 舞

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