補聴器と集音器
更新日:2023.11.16
補聴器の選び方をポイントや種類、聞こえ方などから解説!
補聴器はほとんどの方にとってはあまり馴染みがないもので、購入を考えた際に不安を感じる点もあるかと思います。
ランキングや口コミなどで評判が良いものを買う、という方も多いようですが、それだけでは本当に自分に合った補聴器と出会えないことも…。
今回は補聴器選びで失敗しないためのポイントについて解説します。
目次
補聴器の選び方のポイント4つ
補聴器選びのポイントで大切なのは、まずは「自分に合った補聴器かどうか」ということです。
とは言っても、自分に合うものをどのような基準で探したらいいのかわからない方も多いですよね。
まずは次の4つのポイントごとに探ってみましょう。
利用シーンで選ぶ
補聴器をどのようなシーンで利用したいかは人によって様々です。例えば「テレビを見る時」や「家族と会話をする時」、また「スポーツをする時」など、聞こえに最も不便を感じるシーンを基準に選ぶことが重要です。
屋外での利用を考えている場合には、汗や雨など水に強いかどうかも重要な確認項目になります。
実際の利用シーンをイメージしながら、どのような機能があると良いのか検討しましょう。
形で選ぶ
補聴器は1日の中で長い時間装着することになります。
そのため、耳の穴や耳の裏などを圧迫しない形であるか、装着していて不快でないデザインであるかどうかも基準に選ぶことが重要です。
また、外で使用する機会が多い場合は、フィット感(落ちづらくないか)も重要な確認項目になります。
記事下部では補聴器の形について4種類に分けて解説していますので、そちらでご確認ください。
難聴レベルで選ぶ
難聴レベルは通常「軽度」「中度」「高度」「重度」の4つに分類されます。
補聴器は軽度〜重度まで広い難聴レベルをカバーできる製品もありますが、「軽度難聴向け」や「高度難聴向け」といった特定のレベルに合わせて作られているのが一般的です。
記事下部では難聴レベルについて解説していますので、そちらでご確認ください。
購入前に使ってみる
補聴器は補聴器専門店で購入するのが一般的です。
補聴器専門店では実際に補聴器をその場でつけることができたり、2週間など一定期間無料でお試しができたりするサービスを行っている店舗もあります。
インターネットで購入できるものもありますが、まずは利用したいシーンでしっかりと使うことができるか、聞こえ方は十分か確かめてみることが大切です。
補聴器の選び方:4種類で選ぶ
ここからは上の章でお伝えした「補聴器の形」について解説していきます。それぞれの形ごとのメリットやデメリットについてはこちらの記事でも解説していますので気になる方はぜひご確認ください。
耳あなタイプ
耳あなタイプは4種類の中で最も小型で目立ちにくいタイプです。
ワイヤレスイヤホンのような形のものから、ほとんど耳の穴の中に隠れてしまうような形のものまで、耳あなタイプの中でも様々なデザインがあります。
耳あなタイプは耳の穴の中に押し込むように入れるためフィット感が強く、補聴器をつけているということが周りの方に認識されづらいです。
また、デザイン性が高い製品が多く、40〜50代の比較的若い世代の方にも選ばれているようです。
耳かけタイプ
耳かけタイプは4種類の中で最もメジャーで普及率が多いタイプです。
製品の出荷数も多く、様々なメーカーから発売されています。
耳かけタイプは耳にイヤーチップを入れ、それを耳の裏に通すように引っ掛けます。
耳あなタイプよりは補聴器をつけていることがわかりやすいですが、直近では小型化に成功している製品も多く、スタイリッシュなデザインのものも増えています。
幅広い難聴度に対応しているにも耳かけタイプの特長です。
ポケットタイプ
ポケットタイプは4種類の中で最も調整の操作が簡単なタイプです。
ポケットタイプはイヤホン部分とリモコン部分が有線で繋がれているようなもので、リモコン部分を洋服のポケットに入れて使用することからポケットタイプと呼ばれています。
現在、補聴器業界ではあまり主流ではなく製品数も限られていますが、リモコンについているボタンを使って直感的に操作ができるため、機械が苦手な方や細かい操作が苦手な高齢者の方などに選ばれているようです。
骨伝導タイプ
骨伝導タイプは4種類の中で最も耳への負担が少ないタイプです。
他の3種類は音の振動を耳から鼓膜へ伝えて脳に音として届けますが、骨伝導タイプは骨に音の振動を伝えて鼓膜を介さずに脳に音を届けます。
本体が耳や耳の裏などに触れないため、耳への直接的な負担が少なく、鼓膜への負担がありません。カチューシャのようなデザインや、メガネ型のデザインがあります。
ポケットタイプと同様製品数が限られていますが、一定の人気があるタイプでもあります。
補聴器の選び方:聞こえ方で選ぶ
ここからは上の章でお伝えした「難聴レベル」ごとにどのような補聴器が向いているのか解説していきます。
また、本章でお伝えする難聴レベルの判断はあくまで目安となりますので、補聴器の購入を考えられている方は、まずは一度耳鼻科などで検査をされることをおすすめします。
軽度難聴の場合
軽度難聴は平均聴力が25~40dB未満の場合を指します。症状の目安としては、小さい声やザワザワした場所での会話が聞き取りづらいなどです。
軽度難聴におすすめの補聴器タイプは、「耳あなタイプ」「耳かけタイプ」「骨伝導タイプ」です。
中度難聴の場合
中度難聴は平均聴力が40~70dB未満の場合を指します。症状の目安としては、日常会話が聞き取りづらいなどです。
中度難聴におすすめの補聴器タイプは、「耳あなタイプ」「耳かけタイプ」「ポケットタイプ」「骨伝導タイプ」です。
高度難聴の場合
高度難聴は平均聴力が70~90dB未満の場合を指します。症状の目安としては、耳元で大きな声で話をしても聞き取りづらいなどです。
高度難聴におすすめの補聴器タイプは、「耳あなタイプ」「耳かけタイプ」「ポケットタイプ」です。
重度難聴の場合
重度難聴は平均聴力が90dB以上の場合を指します。症状の目安としては、日常会話でほとんど聞こえていないなどです。
重度難聴におすすめの補聴器タイプは、「耳あなタイプ」「耳かけタイプ」です。
補聴器の価格帯
補聴器の価格帯は非常に幅広く、片耳で10万円程度のものから50万円程度のものまで様々な製品が存在します。
このような価格の差は、本体の小型化や、調整にかかる技術によって生まれていると考えられます。
特に近年では、小型でデザイン性の高いものが好まれる傾向にあるため、性能を落とさずにいかに小型化しデザイン性の向上を図るか、という点でメーカーが開発に力を入れています。
また、補聴器は一人一人の聞こえに合わせて調整を行うため、どこまで細やかな調整が可能であるかも価格の高低に関わっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では補聴器を選ぶ際にどのような点がポイントとなるかを解説しました。
簡単にまとめると以下のようになります。
<補聴器を選び方のポイント>
・最も使いたい利用シーンを基準にして選ぶ
・利用シーンに合った形(デザイン)を選ぶ
・好みや難聴レベルに合ったものを選ぶ
・購入を決めるかどうかは試してからにする
補聴器は一台あたりの値段が高額であるため、慎重に比較する必要があります。
上記であげたポイントを参考にしていただき、多くの方が聞こえのトラブル解決に繋がる良い補聴器に出会えることを祈っています。