健康と予防
更新日:2024.05.01
片耳が聞こえない時の対処法は?今からできる予防法も紹介
ある日、右耳や左耳、どちらか片耳が聞こえない、聞こえづらいという症状が出た時、どのように対処すれば良いのでしょうか。
この記事では片耳が聞こえないという症状の出る代表的な原因をまとめるとともに、そんな症状が出た時の対処法や予防策を紹介していきます。
目次
結論:片耳が聞こえない、聞こえづらいと思ったらすぐに病院で受診を受ける
まず右耳や左耳、どちらか片耳が聞こえない、聞こえづらいという違和感を感じたら、すぐにお近くの病院へ行って受診してもらいましょう。
どんな病気であれ、早期発見早期治療をするに越したことはありません。
片耳が聞こえないという症状が出た場合、原因となるケースはいくつか考えられます。
そもそも耳の構造は、外側から大きく分けて「外耳」「中耳」「内耳」に分かれています。
どこに症状が出たかによって難聴の種類や治療の不可が決まってきます。
「外耳」と「内耳」に原因があるものは「伝音難聴」とされ、薬物投与で改善することもあります。
また、「内耳」と聴神経、脳に原因が見られるものは「感音難聴」とされ、改善するかどうかはケースバイケースとなっています。
さらに、両者が合併した症状のケースもあり、「混合性難聴」と呼ばれています。
「聞こえづらさ」はさまざまな病気のサインであることも多く、重大なケースでは脳梗塞など命に関わる病気の場合もあるため、放置は禁物です。
繰り返しになりますが、片耳が聞こえないなどの違和感を感じたら、すぐにお近くの病院、専門施設に行ってし診察を受けましょう。
片耳が聞こえないのはなぜ?代表的な症状も紹介
右耳や左耳、どちらか片耳が聞こえなくなる原因は人それぞれ異なります。
ここでは、片耳難聴になる代表的な例をいくつかピックアップしてご紹介します。
突発性難聴
突発性難聴とは、読んで字のごとくある日突然耳が聞こえなくなる病気です。
これまで耳に何の違和感も感じて来なかった方でもこの病気にかかる可能性はあります。
突発性難聴になる原因としては、2020年8月の段階ではハッキリした理由が突き止められていません。
しかしながら可能性として考えられているのは、ストレス、過労、睡眠不足などと言われています。
また、この病気は何よりも早期発見・早期治療が大切です。
なぜなら発症してから約1ヶ月程度で聴力が固定してしまうからです。
突発性難聴であれば、発症後1週間以内に適切な治療を受ければ約40%の人が完治し、50%の人には何かしらの改善が見られます。
何よりも発症後(片耳が聞こえないなどの違和感を感じてから)1週間以内に病院へ行き適切な治療を受けることが大切です。
中耳炎
キーンという耳鳴りや耳閉感、難聴、自分の声が響くといった症状があります。
風邪をひいたときに発熱があり、耳が痛くなった場合は、急性中耳炎を引き起こしている可能性があります。
原因として、風邪のウィルスが鼻腔の炎症を引き起こし、それが耳管から中耳にまで及ぶことが挙げられます。
鼓膜の奥でウィルスによる膿みがたまることで、中には鼓膜が破れて耳垂れが出ることもあります。投薬による治療が可能です。
加齢性難聴
一般的に、40代から聞こえは衰えていきますが、殆どの人はそれを自覚するのは50代以降と言われています。
これは、内耳の蝸牛の老化が原因で起きると考えられており、「加齢性難聴」とされています。
加齢性難聴の場合、30%ほどの人が耳鳴りの症状にも悩まされています。
また、この難聴は一度なってしまうと元には戻らないため、もし初期症状が疑われる場合は早い段階で耳鼻科に行きましょう。
早い段階で受診すれば、適切な処置を受けることができ、難聴(聞こえづらさ)の進行度を遅くすることができます。
メニエール病
耳鳴りとともに、回転性のまめいや難聴、吐き気などを伴ったら、「メニエール病」が原因である可能性があります。
これは、「内耳」を満たしているリンパ液が過剰にたまり、水ぶくれを起こしてしまうこと(=内リンパ水腫)で引き起こされます。
また、ストレス、疲れ、睡眠不足などが引き金となることも分かっています。
メニエール病の特徴は、難聴のほか、めまいの発作が数分、数時間、週に1度などといった間隔で繰り返される点にあります。
早めに治療を開始して、根気づよく続けることで改善することもできます。
関連記事:メニエール病の症状や治療、予防方法とは?
急性音響性難聴
爆発音やライブ、工事現場の音など、過度に大きな音を耳にすることで内耳が衝撃を受け、その直後や数時間後に耳が聞こえづらくなったり、耳閉感、耳鳴りが起こります。
これは急性音響性難聴と呼ばれ、場合によっては投薬治療が必要となります。
上記で挙げた5つ以外にも、様々な要因で片耳が聞こえなくなったり、聞こえづらくなるケースがあります。
安易に自己判断を下し、病院での診察を先送りにするのは避けましょう。
異変を感じたらすぐに病院へ行き診察を受けることが大切です。
片耳が聞こえない、耳が遠くならないために今からできる予防は?
1. 大音量でテレビや音楽を聞かない
2015年WHO(世界保健機関)が世界の若者11億人が音響機器の利用などで耳が聞こえなくなる、難聴の危機にあるというレポートを提出しました。
確かに音楽を聴くことでリラックスできることは事実ですが、音量には気をつけましょう。
一度傷ついた神経細胞は、現代の医学では治療する方法は見つかっていません。
そのため耳が聞こえづらくなってしまうと一生その状態が続いてしまいます。
大音量で長時間音楽を聴くことは避けましょう。
また、イヤホンよりはヘッドフォンの方が耳への負担が少ないです。
もしこれからどちらかを買う機会があったら、耳に負担の少ないヘッドフォンを買うのはいかがでしょうか。
2. 騒音下で仕事をしているときは耳栓をする
長い時間、騒音下にいると騒音性難聴になってしまう可能性があります。
騒音性難聴とは、内耳の細胞が騒音で失われてしまうことが原因とされています。
原因となる音のボリュームは85dB(デシベル)。
この数値は一体どれくらいのレベルなのかというと、地下鉄の窓を開けた時の状態程度の音量です。
85dBだと聴覚の損傷が始まるまでの時間はおよそ8時間。
ぜひ、定期的に耳を休ませる時間を作ることを意識してください。
3. 生活習慣を見直す
生活習慣を見直すと、先ほど耳が聞こえなくなる原因の1つである加齢性難聴に良い効果が期待できます。
例えば、禁煙をする、適度な運動、規則正しい生活、栄養のあるバランスのとれた食事をすることは老化を遅らせるために大切な要素です。
加齢に伴って耳が聞こえにくくなるのは仕方のないこと。
しかしながら、これらの生活習慣を見直すことで加齢の進行を遅らせる、また加齢以外の原因を避けるという事においては十分予防できます。
その他にも、日頃からできる自分の耳を守るための方法はいくつかあります。
気になった方はぜひ調べて、日頃から対策してください。
最後に
右耳や左耳、どちらか片耳が聞こえづらい、聞こえないという現象は、難聴のサインである可能性が高いことが分かりました。
そのまま放置することで難聴が進行してしまいます。
また、何度も繰り返すように、耳への違和感を感じたら何よりも早期発見・早期治療が大切です。
「もう年をとったから聞こえづらくなったのかな」「片耳が聞こえづらくなったけど、1ヶ月も経てば治るでしょう」と言わずに、ぜひ病院へ行ってください。
完治できる可能性を奪わないためにも、すぐに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
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