健康と予防
更新日:2024.06.21
難聴レベルは主に4つ、聴覚障害になった場合はどうすれば良い?
「聴覚障害」について、耳にしたことはありますか?
もしご自身が「聴覚障害」の当事者になった場合、何か補助や支援を受けることはできるのでしょうか?
この記事では、聴力による聴覚障害の判定基準や、聴覚障害者が利用できるサービスなどについてご紹介します。
目次
聞こえの程度と難聴度4つの種類
軽度難聴
25dB以上40dB未満(ささやき声)
…小さな音の会話や、騒音の中での会話が聞きづらい
中等度難聴
40dB以上70dB未満(小雨の音/40dB、日常会話・洗濯機・掃除機/60dB)
…通常の声の大きさでの会話が聞きづらい。人との会話で何度も聞き返す
高度難聴
70dB以上90dB未満(ピアノの音/80dB)
…補聴器を使用しないと会話が聞こえない
重度難聴
90dB以上(車のクラクション/110dB)
…補聴器を使用しても会話が聞きづらい
聴覚障害とは?
聴覚障害とは、いわゆる難聴を患っている状態のことで、音が聞こえにくかったり、聞こえないことを指します。
聴覚障害は、生まれつき耳が聞こえない「先天的」なものと、事故や病気などによって耳が聞こえなくなってしまう「後天的」なものとに分かれています。
先天的な聴覚障害の原因には、聴覚組織の奇形や妊娠中の風疹やサイトメガロウイルス感染症などのウィルス感染によるものが挙げられます。
一方、後天的な聴覚障害には、ストレスやウィルス感染、騒音や加齢などが原因となる難聴や、頭部外傷など事故によるものがあります。
また、聴覚障害は、聴覚器官のどの部位に障害が起こったかによる分類もあります。
外耳や中耳の障害によるものは「伝音性難聴」、内耳や聴神経、脳の障害、加齢による難聴は「感音性難聴」、両者ともに障害がある場合は「混合性難聴」と呼ばれます。
聴覚障害者の認定について
日本では、① 両耳の聴力レベル70dB以上、または② 片耳の聴力レベルが90dB以上かつもう片耳の聴力レベルが50dB以上 となると、障害者認定を受け「身体障害者手帳」の交付がされることとなり、様々な福祉サービスを受けることができます。
身体障害者福祉法に基づく 平成18年身体障害児・者実態調査結果によると、国内では36万人以上の方が聴覚障害とされています。
世界保健機構(WHO)では、日本の障害認定基準より低い聴力レベル41dBから補聴器の使用をすすめています。
聴覚障害者の中でも、音声言語獲得期以降に耳が聞こえなくなった人を「中途失聴者」、聴力はあるものの聞こえにくく、補聴器の使用が必要な人を「難聴者」、音声言語獲得期以前に聴力を失った人で、手話でコミュニケーションをとる人を「ろう(あ)者」として呼ぶこともあります。
聴覚障害になったときの福祉サービスとは?
聴覚障害者の方は、日常生活の様々な場面で不便や困難を感じることがあります。
当事者の方の聞こえの不自由さは外見ではなかなか判断しづらいため、初対面の人との会話で困難さを感じたり、また駅や病院などの公共施設でアナウンスに気づかず不便さを感じることもあるかもしれません。
1980年に発表された「国際障害者年行動計画」では、障害者の定義について、「通常の人間的なニーズを満たすのに特別の困難を持つ普通の市民」だとし、日本でも生活に必要な手助けを用意しています。
補聴器の交付や修理のサービス、警察や消防車などの緊急メールサービス、障害者用職業センターやリハビリセンターなどの相談窓口の設置、手話通訳者を役所などに設置するサービス、公団住宅優先入居などが挙げられます。
聴覚障害の認定を受ける聞こえの基準は?
聴覚障害かどうか判断するには、耳鼻咽喉科で聴力検査を受け、身体障害に該当するかの判定を受ける必要があります。
ただし、この判定の為に必要な書類は市区町村の指定医でないと作成できないことになっています。
まずは市区町村の障害福祉課などに問合せたうえで、指定医を紹介してもらうとよいでしょう。
身体障害に該当する場合は、補聴器を支給されたり、補助を受けることができます。具体的な基準や金額については、お住いの市区町村にお問合せください。
市区町村独自の支援策がある場合もあります。
障害者程度等級
■2級
両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの (両耳全ろう)
■3級
両耳の聴力レベルが90dB以上のもの (耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
■4級
1. 両耳の聴力レベルが80dB以上のもの (耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
2. 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下のもの
■6級
1. 両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発生された会話語を理解し得ないもの)
2.1側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの
聴覚障害になったら、どのように聞こえを補えばいい?
聴覚障害の認定を受け、聴力が残っている場合は、性能のよい補聴器を自分の聞こえに合わせて設定したものを使ったり、「人工内耳」を内耳に埋め込む手術をすることで電気信号に変えた音を聞き取ることができるようになることもあります。
また、「磁器誘導ループ」「赤外線補聴援助システム」「FM補聴システム」といった、マイクでひろった音声を自然に聞こえるようにとばすシステムもあります。
一方、残存聴力が残っていない場合は視覚が重要なコミュニケーションの手段となります。
「手話」「読唇」「筆談」「字幕」など、一部訓練が必要なものもありますが、このような手段を通じてコミュニケーションを取ることができるでしょう。
「言語聴覚士」とは、どんなことをする人?
聴覚障害になると、音を聞き取ることだけではなく、話すことにも難しさを感じる場合が少なくありません。
これは、聴力が低下すると自分の声が聞こえにくくなるためです。
こういったリハビリ訓練を行なうために、日本では1997年から国家資格となった「言語聴覚士(ST)」という専門家が聴覚障害者を助ける役割を果たしています。
具体的には、補聴器のフィッティングを手伝ったり、人工内耳設置後のリハビリをしたり、聴覚障害を持つ幼児に対する言語の取得をサポートしたりします。
聴覚障害を持つ方のために、周囲の人たちができること
聴覚障害を抱えると社会生活のさまざまな場面で困難に直面することになります。
例えば、「電車での車内アナウンスが聞こえない」「マスクで読唇ができない」「タクシーを呼ぶことができずに探しまわる」「無視されたと思われ怒られた」など。
こういった悩みは周りには気付いてもらうことが難しいものです。
周りの人たちの少しの工夫で、聞き取りやすさが大きく向上することもあります。
例えば、こんな配慮をお願いすることも検討してみてください。
・顔をこちらに向けて話してもらう
・周りが静かな環境で話してもらう
・近づいて話してもらう
・ゆっくり、はっきりと話してもらう
・(うまく聞き取れていない場合は) 言い直しや、言い換えをする
・話し始めるときは、ちょっとした合図を入れる
聞こえづらさの進行を感じたら「オリーブの集音器」
オリーブユニオンでは、手に取りやすいスタイリッシュなデザインの集音器を扱っています。
最大の特徴は「聞こえのセルフ調整ができる」という点で、音を聞きたいシーンに合わせて、好きな時に、納得がいくまで、自分で調整を行うことが可能です。
放っておくと進行しやすい聞こえのトラブルにこそ、聞こえの状態に合わせて最適な調整ができるオリーブの集音器がおすすめです。シリーズ最大の最大音響利得62dBとパワー面でも聞こえをサポートします。
まとめ
難聴でお困りの方も、聞こえの程度によっては、障害者認定を受けることで、費用面などでサポートを受けることができる場合があります。
また、耳鼻咽喉科医や国家資格である言語聴覚士をはじめ、周りの人たちのサポートも受け入れながら過ごすことが、難聴とともに豊かな生活を送る秘訣かもしれません。