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補聴器と集音器

更新日:2023.11.21

集音器と補聴器の違いとは?どちらがいい?

集音器と補聴器の違いとは?どちらがいい?

耳が聞こえづらくなったとき、その問題を解決する手段として思い浮かぶのが、集音器や補聴器。
しかし、集音器と補聴器の違いを知らずに購入しようとすると、期待はずれとなってしまう可能性もあります。この記事では、集音器と補聴器の違いと、それぞれの製品がどのように聞こえを改善するのかについてご紹介します。  

集音器と補聴器はどう違う?

集音器と補聴器の違いを正しく理解するにはポイントを抑えておくことが重要です。いくつかの項目に分けて詳しく見ていきましょう。

「集音器」とは周囲の音を大きくする電子機器

集音器とは、内部にマイクが搭載されており、そこを通して周りの音を集め、大きくした音を耳に届けるものです。
周囲の音をすべて大きくすることで、日常生活を送るうえで聴力が低下した人の聞こえにくさを緩和してくれるのです。

ただ、すべての音を大きくするということは、大きな音がさらに大きく聞こえてしまうことに。
聞こえる音と聞こえづらい音との選別がなされないため、集音器は難聴を患っている人には一般的におすすめされません。

集音器は、テレビの音が聞こえづらかったり、相手の会話が聞こえづらかったりする時などに使用されます。
例えば、テレビの音が小さく感じて音量を上げてしまい、家族に「音が大きすぎる」などと指摘されるケースです。

集音器を使うとテレビの音が自分にだけ充分な大きさで聞こえ、家族に迷惑をかけずに済んだ、という声もあります。
日常生活の必要な場面でサッと使える手軽さに加え、さらにインターネットや家電量販店などで、医師の診断書がなくても購入することができます。  

一方、「聞こえづらさ」を抱えているケースでは、医師との相談が必要になります。
それは、集音器では自分の「聞こえ」に合った微調整ができないため、「大きい音もさらに大きく耳に届ける」といった集音器を使うことによって、難聴の症状がより進行してしまうことにもなるからです。

また、集音器と補聴器は違いが分かりづらいため、集音器を補聴器と誤解して購入してしまう人もいるようです。

集音器は内蔵のマイクで音を大きくして耳に届けるものに対し、補聴器はマイク、アンプ、レシーバーと高性能な機能を凝縮して搭載しているなど、その構造からも大きな違いが見られます。
それゆえ、補聴器は片耳につき平均10万以上と高価であるのに対し、集音器は1万円前後から購入できるなど値段にも大きな違いがあります。

関連記事:補聴器とは?集音器とは?

「補聴器」とは厚生労働省から認定を受けた聞こえの課題を解決する医療機器

補聴器は集音器と異なり、耳鼻咽喉科の医師の診断を受け、専門店で購入するものです。
補聴器は専門家による調整を必要とする「医療機器」であり、集音器のように、インターネットや家電量販店で購入できるものではありません。

難聴になると、人との会話や電話・インターホンの音、また、外出先での車やバイクの音などが聞こえづらくなります。
このような場合に日常生活を支障なく送るためにも、その人にあった音の出力を調整できるのが補聴器は欠かせません。

さらに、騒音や衝撃音などの大きな音を、それ以上大きく耳に届けないように制御する機能も備えています。

参考:補聴器を購入する前に|一般社団法人 日本補聴器販売店協会

集音器と補聴器のその他の違いは?

厚生労働省からの認定の有無以外にも、実は様々な違いがあります。ここからはもう少し詳しく見ていきましょう。

関連記事:集音器とは?補聴器との違い・仕組み・メリットを徹底解説

集音器と補聴器の対象者の違い

集音器は、言葉が聞き取りづらくなってきたなどの、聴力の低下を感じ初めた軽度難聴の人向けの機器です。
一方で、補聴器は医師の診断により難聴と診断された人や耳の持病がある人向けの機器で、聴力の改善を目的として使用されます。

先述の通り、補聴器は医療機器に分類されるため、基本的には医師の指示によって使用を勧められるものになります。

集音器は、どんな人でも買える家電であるため、病院等で医師から「まだ補聴器は必要ない」と言われた場合や、「なんとなく最近言葉尻が聞こえづらくなってきたな」と感じた場合など、自分が聴力の低下を自覚している段階でも自由に試すことができるものです。

また、補聴器は難聴の状態や程度によって、申請を行えば助成金が出るケースもあるため、自分がどちらを使うべきなのかを見極めることはとても重要となります。

集音器と補聴器の販売方法の違い

集音器は家電であるため、家電量販店やオンライン販売での購入が可能です。一部、眼鏡屋や補聴器専門店にも置かれていることもありますが、基本的には家電量販店やオンライン販売が一般的でしょう。

一方で、補聴器は医療機関での診断や処方せんが必要なため、購入は補聴器専門店や、補聴器を取り扱う眼鏡屋で行うのが一般的です。
医療機関によっては提携している補聴器メーカーがあったり、補聴器についての相談や貸し出しなどができたりする「補聴器外来」という診療を行なっている場所もあります。

補聴器の取扱店には、認定補聴器技能者と呼ばれる補聴器のプロフェッショナルがいることもあり、対面での調整や聞こえの相談をすることができます。
補聴器購入に対して不安を抱えている場合はそのような人に相談してみるのも良いでしょう。

集音器と補聴器の価格の違い

集音器は補聴器に比べると低価格であり、相場価格は1万円〜3万円ほどです。
一方で補聴器の相場価格は10万円〜30万円と補聴器製品内でも価格差が大きくなっています。

集音器も補聴器も搭載している機能や性能によって価格が大幅に変わります。
近年では、機能や性能がより高くなっているため相場価格も以前より上昇傾向にあります。

どちらを選ぶべきか迷ったら

ここまで集音器と補聴器の違いについて見てきましたが、実際に自分にはどちらがあっているのか、また、どちらを使えば良いのか、迷ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。

ここからは選び分けのポイントについて見ていきましょう。

症状に合わせて選ぶ

集音器と補聴器を選ぶ際の最も簡単な方法は聞こえ方の症状に合わせて選ぶことです。

<集音器がおすすめの場合>
・会話を聞き返すことが増えた
・声は聞こえるが単語や語尾が聞き取れない
・以前よりテレビの設定音量が上がった

<補聴器がおすすめの場合>
・聞こえづらい音域の音がある
・医療機関で難聴の診断を受けている
・日常生活で不自由を感じるレベルの聞こえづらさがある

集音器は聞こえづらさを感じ始めた時に使用するもの、補聴器はある程度聞こえづらさが進行している、または音域にわせた高度なサポートが必要な時に使用するもの、とイメージするのが良いでしょう。

医療機関への相談も

集音器と補聴器のどちらを使えば良いのか迷っている方は、医療機関へ相談するのがおすすめです。
聴力の低下は進行しやすいものですので、自分で判断せず医療機関を受診するようにしましょう。

補聴器と集音器、装着の注意点は

慣れるまでのトレーニングが必要

補聴器や集音器を購入しても、「合わない」と思ってすぐに装着をやめてしまう人は少なくありません。
「音がうるさくてやめてしまった」「聞きたい音が大きくならない」と感じる方もいるようです。

しかし、補聴器も集音器も、つければ元の聴力が100%元に戻るという性質のものではありません。
聞こえない状態になれてしまった脳に、補聴器や集音器をつけて音を届けてると、脳は音が大きくてうるさいと感じてしまうケースもあります。
実際、補聴器に慣れるまでに3ヶ月かかるとも言われています。

根気強く装着を続けて、脳に聞こえのトレーニングを実施することが、活用の秘訣です。

健康被害に注意する

集音器や補聴器は正しい使用を行なっていれば基本的に健康被害が起こることはありません。
しかし、聴力に合っていない大きな音量で長時間使用すると鼓膜へダメージを与えてしまったり、装着感が悪い状態のまま使用を続けると耳の痛みや不快感を引き起こしてしまったりする可能性があります。

特に、集音器は、家電量販店やオンライン販売などで簡単に購入が可能な分、上記であげたようなトラブルにも繋がりやすいです。
まずは短時間から自分の耳の聞こえや装着した時のフィット感が合っているか確かめることがおすすめです。

使っていく中で、何か気になることがあれば、集音器の場合はメーカーや製品のコールセンタ、補聴器の場合は販売店や医師などに相談をするようにしましょう。

集音器と補聴器の違いを理解して利用する

ここまで集音器と補聴器の違いについて、「医療機器認定の有無」「対象者」「販売方法」「価格」など様々な点から解説してきました。
しかし、最も大切なのはこのような違いを理解した上で「自分がどちらを使用するべきか」を見極めて購入・使用することです。

集音器は聞こえの軽度トラブルに向けて周囲の音を大きくするもの、補聴器は難聴者が抱えるトラブルに向けて専門的な構造で作られているもの、という基本的な違いは念頭に置きましょう。

その上で、自分自身の聴力の低下を感じている、自分自身の聴力の状態が分からず集音器と補聴器のどちらを使えばいいのか分からないという方は一度医療機関を受診することもお勧めします。

まとめ

聞こえづらさを感じたら、「まだなんとか聞こえるから」と我慢せず耳鼻咽喉科の医師の診断を受けましょう。
補聴器や集音器は機能や価格も様々です。事前にリサーチしておくことで、自分にぴったりな聴覚サポート機器を選びましょう。

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オリーブ製品開発の思い

オリーブでは製品開発の中心に「聞こえのスペシャリスト」である言語聴覚士がいます。

オリーブの製品開発の中心を担っている韓国オフィスでは、オリーブセンターという施設を開放しています。
オリーブセンターには言語聴覚士が常駐しており、誰でも製品の使い方や、聞こえに関する悩みを気軽に相談することができます。
また、製品を利用している方々のリアルな意見を聞くことができる場所でもあり、実際の利用者の方々から集まった意見を元に、日々製品のアップデートを行っています。
言語聴覚士について>>

◼︎言語聴覚士 ゴン・ハンオル
・HALLYM UNIVERSITY 聴覚学科卒業
・新生児聴力選別検査修了(韓国聴覚学会)
・韓国聴覚士協会聴覚士資格取得
・耳鳴りプログラム開発参加
・キムスヒアリング補聴器センター センター長

言語聴覚士 ゴン・ハンオル | 聴覚士証明書

言語聴覚士

ゴン・ハンオル

Han Eol Kong

韓国江原道春川出身。幼い頃から祖母と一緒に暮らしていた影響で高齢者関連の学問に興味を持ち、韓林大学聴覚学科に進学。大学時代に耳鳴り治療を開発する企業でインターンシップを経験し、聴覚士資格を取得。その後は補聴器専門センターでセンター長として勤務。現在はオリーブユニオンで顧客へのカウンセリングや製品開発を行うなど幅広く活躍中。

ゴン・ハンオル

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